2011年度のジュエリー市場規模



 矢野経済研究所が公表した2011年の国内宝飾品(ジュエリー)市場は、前年比98.3%の8,945億円、2012年以降、市場は緩やかに回復基調と予測している。震災の影響で、贅沢品の購買需要は大幅に減少するとの見方もあったが、人と人との絆を見直す動きが見られた中で、ブライダルジュエリーは、堅調に推移した。
また百貨店などを中心に、暗いムードを吹き飛ばすような高額品の購買も伸び、また東北地域では復興に伴う需要増も市場を押し上げる一因となった。
 2012年以降の宝飾品小売市場は、日本経済の回復、宝飾市場が落ち込みすぎた反動もあり2016年ごろまでに穏やかに回復基調を辿ると予測する背景には、素材価格の値上がり、低価格志向からの反動、インターネット販売やテレビショッピングを含む通販チャネル等新規チャネルの拡大がある。

 「リ・市場」と呼ばれる宝飾品 リフォーム宝飾品リサイクル(還流)市場が伸びている。日本の宝飾品業界の歴史は50年程度であるが、その間に販売されたジュエリーは合計すると約60兆円を超える規模と推定する。これら中古の宝飾品が買取りショップの増加で一斉に還流し始めており、質店やディスカウントストアのみならず、老舗の時計宝飾専門店なども買取りを始め、全国あらゆる地域で新規参入が続いている。但し悪質な訪問買取り業者の出現など、業界への信頼の回復も課題となっている。
 また宝飾品リフォーム市場については、大手チェーン店との差別化を図るために、地方の専門店でもジュエリーの知識を生かしたリフォームを事業の柱にするところが出て来ており、百貨店の宝飾サロンもリフォームカウンターは好調である。一方、リフォーム同様にオーダージュエリーを得意とする小売店も増えてきており、こうした流れの中で、自分だけのジュエリーに対するニーズが今後も高まっていく可能性もある。
 他方、2011年は地上デジタル放送に切り替わり、スマートフォンの出荷台数が携帯電話の過半数に迫る年となった。これに伴い、インターネットやWショッピングを含む通販チャネルによる宝飾品販売は、他の宝飾品チャネルと比較して大きく伸びており、この傾向は今後も続くと考えられる。





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