この調査は、今年1月に全国の時計専門店・百貨店を対象に行った「ウオッチの販売動向調査」の結果です。毎年2回(1月、7月)、本紙(時計美術宝飾新聞社)とスイス時計協会(FH)が共同で行っているもので、今回で11回目を数えます。

前回(第10回)の調査結果でも現れていたことですが、ここ数年、日本のウオッチマーケットは「国産時計苦戦、輸入時計健闘」の状況が続いていました。
しかし、ここへきて、国産時計が新たな取り組みを積極的に進め、また輸入時計では人気ブランドに変化が生まれてくるなどウオッチマーケットには、これまでにない動きがみられます。

2002年の1年間の店頭での時計販売は、「金額で前年より増加した販売店が約6割、減少した販売店が4割弱」となっており、逆に「数量では増加が約3割、減少が6割弱」となっています。販売数量は減っていますが、販売金額は増えていることから「時計は単価が上昇している」ことが伺えます。このことは国産時計、輸入時計いずれにも言えることです。
国産時計の「販売金額が前年より増加した販売店は3割強、減少が約6割」、「販売数量が増加した販売店は2割強、減少が7割強」となっています。輸入時計の「販売金額が前年より増加した販売店は7割弱、減少が3割弱」、「販売数量が増加した販売店は4割強、減少が5割強」で、国産と輸入では増減割合に違いがあるものの、基本的には「単価アップにより売上を確保している」のが、販売店の現状といえましょう。

それでは、よく売れている価格帯はどのあたりになるのでしょうか。金額ベース・数量ベースによる輸入時計の価格帯別販売状況はグラフの通りですが10万円〜50万円クラスの販売が最も多く、数量で5割を超えています。


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