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アルプス氷河のナデシコの道

 

 

暑中お見舞い申しあげます。

7月最終週に撮ったスイス・ツェルマット(Zermatt)のアルプス氷河の「夏スキー場」です。標高3800メートルぐらいのスイスとイタリア国境の線上のスイス側です。ツェルマットの街・南端からケーブルカーを乗り継いで終点駅へ着くとそこが夏スキー場です。写真の左端の岩峰が標高4478メートルのマッターホルン(Matterhorn)です。マッターホルンは東西南北に四つの壁を持つ山です。右側の1面の壁が東壁で、スイス国内で左側の凸凹のある壁が南壁でイタリア国内です。スキー場の上端から下を見下ろして撮りました。Tバー・リフトが2本、スキー場の下から上がってきていて、下の黒い岩の手前にスゴク小さな黒点に見えるスキーヤーたちが集まっているところがスキー場の下の端です。

 同じ場所から右側を向いて撮った写真です。左上の黒い岩峰がクライン・マッターホルン(Klein Matterhorn)の岩峰です。その岩峰の最上部分の岩の中をくりぬいて駅を作り、そこがツェルマットの街から上がってくるケーブルの終点駅になっています。岩峰の左側に見える白い突起がケーブルカーの出入口です。岩峰の手前の正面からスキーのコースが、こっちへ向かって下って来ています。そこを滑り降りて、このスキー場の真ん中あたりの斜面へ出て、さらに滑り下りてスキー場の下の端からTバー・リフトに乗ってここへ上がってくるわけです。写真の右上の鉄塔の後ろ側に頂上部分がお団子みたいな形の白い丸い山が見えますね。ブライトホルン(Breithorn)標高4165メートルです。安全に登れる雪山で誰でもクライン・マッターホルン駅まではケーブルで上がれますから、世界でイチバン登りやすい4000メートル級の山として人気が高いです。真夏にこんな氷河の広々した白い斜面で滑りまくるのは、それは気分の良いものですよ。2年間の完全なブランクの後の「アルプスへの復帰」になりました。

 スキー場の真ん中あたりまで滑り下りて、写真を撮る場所を探していたら、可愛いフランスの子供たちが「写真に撮られたくて」集まってきました。写真の左側の斜面が大きく開いていて、多数のポールがセットされていますね。一般スキーヤーが進入禁止のスキー選手だけのトレーニング用斜面です。左方上部に見える氷河の丘と丘のあいだを越えてきて、私でも選手用斜面へ入れてもらうことがときどきはありますが、それ以上は厳禁です。ここは世界の夏スキー場のなかでは、ベストの中のベストです。ですからヨーロッパ各国から、スキーの名手たちが集まってきます。ヨーロッパの夏スキー場としては、南フランスにベストがあると語る人も多いですが、たしかにヨーロッパらしいスキー文化とサービスがあって、南フランスのスキー場を最高に評価する人々がおおいことは、私にも理解できます。

アルプスの高嶺に咲く「高嶺ナデシコ」 

またナデシコの話です。写真の中央の左端に、ハイキングコースが見えますね。ツェルマットの街から上がってきている山道です。その山道をどんどん登っていくとシェンビール・ヒュッテという名前のスイス山岳会が管理している山小屋へ行けます。標高2694メートル、マッターホルンの西壁直下にある典型的なアルプスの山小屋です。もちろん宿泊は可能ですが、寝袋を持参しないで行く場合には、その事実を予告して行く必要があるでしょう。ワインつきの食事も食べられますし、安全で清潔で快適な山小屋ですがアルプス山中の登山者専用の山小屋です。もちろん宿泊費はスゴク安いです。このツェルマットからシェンビール・ヒュッテまでの半日間ほどのハイキングコースを、私は地球上でイチバン楽しく美しいハイキングコースだと考えています。草原の中の道ですから日よけの帽子は必要でしょう。行き交う人も適当な数です。山道ですれちがったら日本の山道と同じようにできれば、もっとテイネイに「ハロー」の一言でいいですから相手の目をシッカリ見て笑顔でアイサツを交換しましょう。

競争しながらも共存共栄している高嶺ナデシコ 

高嶺ナデシコのクローズ・アップです。同じナデシコでもアルデンヌの花とは、ちょっと花のカタチが違いますね。少しサイズが小さくて色も濃いですね。草むらのなかに、さまざまな他の草たちと一緒に生きていますが、他の草もナデシコみたいな生態の花ですから、競争しながらも共存共栄しているのでしょう。

 マッターホルンの北壁です。この谷の山道を登っていると左側には常にこの北壁がそびえています。あいにくの悪天候ですが、天気の良い日は夏スキーをやっていますので、こんな日にしか、北壁の写真は撮れません。北壁の下部の氷河から幾筋もの滝が流れ落ちでいます。ときどき轟音をとどろかせて、大きな氷河の塊が雪崩落ちます。ビックリするほど大規模な雪煙が立ち昇ります。北壁の上半分は、さすが有名なマッターホルンですからもっとズーット上のほうまで伸びていますが、はるかな雲のなかです。アルプスの3大北壁と言えば、グランジョラス、アイガーとこの北壁です。ジョラスは登山技術的に最も難しく、アイガーは天候が急変しやすくて最も危険です。この北壁は、一番長くてシンドイと言われています。日本人女性の今井通子さんがアルプスの3大北壁の登攀では、人類の女性で初めての快挙を成しとげられています。

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宝石クリエイター 「 乾 碩巳 」 記 「ヨーロッパの新宝石のガイド」 http://www.shapefree.com