 | 天然・合成アメシストの鑑別
《CGL通信》 アメシストは2月の誕生石で、鉱物としても地殻上で長石に次いで多く産出する石英である。アメシストの主な産地はブラジル、ザンビア、ロシア、タンザニア及びナミビアなどである。合成アメシストは1970年代から、オートクレープを用いた熱水法で合成しており、ロシア、中国などで量産されている。特に1990年代に入って、旧ソ連が崩壊し、市場経済が発達するにつれ、ロシアの結晶育成技術が輸出用のジュエリー製造に向けられるようになってからは、大量供給に伴い合成アメシストの価格が急落した。更に、中国製との競合の結果、その価格はコランダムのベルヌイ製品並みにまで下落した。 宝石業界では、このような合成アメシストが天然アメシストの原産地において混入され、鑑別されないまま商品として流通する危険性が懸念され続けている。報告によれば、市場におけるアメシストの半分は合成であるとし、東アジアで取引されているアメシストの25%は合成のアメシストであるとしている。またヨーロッパのある鑑別ラボでは、1年間に持ち込まれた水晶類の70%が合成であったと報告している。このように「合成と気づかずに天然として売られている」というアメシストに対して、昨今の情報公開や消費者利益の観点からも天然・合成アメシストの鑑別に関する重要性は高まっている。 http://www.cgl.co.jp/ |
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