高野 耕一

コピーライター
クリエイティブ・ディレクター
株式会社アドベンチャーズ
代表取締役会長

1942年、東京生まれ
国学院大学卒業
空手道和道会四段

国際カレンダー展グランプリ
ニューヨークADC賞入賞
全国雑誌広告大賞金賞
日経広告賞
京都新聞広告賞金賞
ACC賞
その他

(商品開発)
逆回転腕時計「サザンクロス」

(出版)
「15秒の達人」「風の教室」

現在エッセイを連載中。

時計美術宝飾新聞のウェブでのエッセイ第一回は、お願いです。友人の出版社の社長に「下町の写真があるので、本にしたい」と頼まれ、そろそろ一年になってしまいます。東京の下町の、昭和25年から30年頃の写真で、都電が走っていたり、あっちこっちに空地や畑があるのです。そして、なにより楽しい発見は、子供たちの表情がイキイキしているのです。オトナたちもがんばっています。浅草に小さな「下町保存」の博物館があって、入口の所で昔の味そのままのコロッケを売っていたりするのですが、その博物館のキャッチフレーズが「貧しいけれど、夢があったあの頃」というものなんですね。いいキャッチフレーズでしょう。鋭すぎず、甘すぎず、心地よいあったかさと、読み手に勇気を与える力があります。なによりも時代の空気を表現しています。私は、出版社の社長との約束を果たすためのヒントをそこから得ました。あらためて下町の写真を眺めてみますと、なるほどそこには「夢がある」のですね。「明日のためのエネルギーがつまっている」のです。ただ懐かしいだけの本でもいいのでしょうが、それでは普通になってしまう。普通が悪いわけではないけれど、夢とか明日を感じればなおいいですものね。話は少しそれますが、「ふるさと」という歌がありますね。ウサギ追いしかの山、コブナ釣りしかの川、というあれです。あの歌がヒットしているの、ご存知ですか。中高年のアイドル?は綾小路キミマロさん、中高年のヒット曲が「ふるさと」なんですね。下町の本は、中高年にも若者や子供にも読んでもらえるものにしたいと思います。まあ、一口に言うと、夢のある、希望や勇気の湧くような本、そうなるといいな、と思います。そこで、みなさんの「ふるさと」感とか、あんなことしたな、こんなことがあったな、運動会はこう、遠足はこう、好きなコがいたなとか、祭はこうだったとか、そんな思い出をメールで送ってくれませんか。父さんや母さんのことなんか、ですね。謝礼はないのですが、参考にさせてくれませんか。みなさんのそんな思いの中に「日本」があるような気がします。よろしくお願いします。

高野 耕一
takano@adventures.co.jp