2010  プラチナ白書
  ジョンソン・マッセイ社が5月17日に発表した「プラチナ2010」では、中国はプラチナ価格の下落により消費者のプラチナ宝飾品購入が促されたうえに、業界全体で大幅な在庫の積み増しが見られ、プラチナの宝飾品用需要が過去最高の水準に達したと報告している。

プラチナ宝飾品の展望
  2010年の中国の宝飾品需要は前年を下回ると予想される。
2009年の在庫補充および積み増しのための需要拡大が2010年にも続くことはないであろう。中国の宝飾品業者の主要プラチナ調達市場である上海金取引所では、2010年第1四半期の販売量が前年同期を下回った。また価格上昇に応えて業者は在庫を圧縮していると報じられている。
  しかし歴史的に中国の宝飾品産業は価格下落に機敏に反応する傾向があるため、状況が変わる可能性もある。欧州、北米経済に何らかの回復傾向が見られれば宝飾品用需要は増大するだろうが、日本では高価格が需要に悪影響を及ぼす可能性が強い。

中国における宝飾品産業はプラチナに焦点を当てておりパラジウムの宝飾品用需要は減少その他の地域では、中程度の成長を予測中国の宝飾品メーカーがより収益性の高いプラチナに再び力を入れたため、パラジウムの宝飾品用総需要は17.3%減の25.3トンとなった。一方、ニッチな男性用結婚指輸市場での需裏増大に支えられ、欧州や北米ではパラジウムの宝飾品用需要が増大した

中 国
 中国は依然、パラジウム宝飾品にとって最大の市場だが、2009年にはメーカーがより高収益なプラチナに再び力を入れたため、需要が滅少した。これによりパラジウム宝飾品の生産能力が低下し、総需要は前年比24.3%減の17.4トンに落ちた。これまで純度99%の製品に再加工するために着実に売り戻されてきた純度95%の製品がほぼ枯渇したため、2009年にはリサイクルレベルが大幅に低下した。そのため、宝飾品用純需要は前年の20.2トンから15.9トンヘと落ちた。小売レベルでは、パラジウムは独立系卸会社や小売チェーンによって流通が行われている華西や北東部ではすでに定着しているが、主要都市圏にはあまり普及していない。





ジョンソン・マッセイ社調べ






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