時計美術宝飾新聞社は本紙「W&J TODAY」ホームページ上で定期的に消費者アンケート調査を行なっている。2010年12月の調査は「腕時計」。「時刻を知るツールとファッション性のどちらを優先するか」「どういうときに必要と思うか」「自分で購入するとしたらいつごろか(時期)」の3点を聞いた。回答は158人(男性103人、女性5人)。






駅や商店街には必ず
大きな時計があるが・・・
 腕時計といえば、かつては人生の節目に贈り贈られるなど大きな存在感があったが、時代の流れのなかで昨今ではそうした意味合いがかなり薄れてきていることは否めない。極めてマニアックな商品であったり超高額品であったり、一方でたんなるツールのひとつであったり価格訴求品であったりと、時代に翻弄されているとの指摘も散見される。
 今回のアンケート調査では、しかし、どうしてどうして、時計、がんばっていますよ、そんな実態が明らかになった。腕時計は生活するうえで必要不可欠ともいえる消費者の姿が浮かびあがってくる。

 


<Q1 時刻を知ることとファッション性と、
            
どちらを優先しますか>

男性は時刻を重視し
女性はファッション


時刻57%(この項目回答全男性の76%、この項目回答全女性の24%)、ファッション4 3%(男性2 4%、女性76%)。そうでなければならないとはいわないが、この数字は極めて無理のないものではないだろうか。価値観の変化多様化を認めたうえで、大方に違和感のない
数字は、本質あるいはそれに近いものを表している。従って腕時計の在るべき姿、求められる姿を表わす数字といえよう。



<Q2 腕時計はどういうときに必要と思う>

仕事、交通移動時
お洒落や旅行にも


必要な状況を自由に書いてもらったが、圧倒的に多いのが仕事関係で回答者のおよそ3分の1があげている。「会議や商談」、「通勤・始業時間」などだが、通勤は毎日のことで分かっているとは思うのだが、やはり必要と感じるのか。「携帯電話のバッテリーが切れているとき」という回答もあった。普段は時計を必要としていないのだろうか。
  次いで多いのが「外出時」「買い物のとき」「待ち合わせ」「乗車時」など出かけるとき。仕事関係をあげている回答者に近い数字となっている。「旅行」をあげる人も多い。「海外旅行」を含めて、確かに必要なアイテムではあろう。
  これらは相手もあることであり、「ビジネスマナー」「フォーマル」「身だしなみ」という考え方にも繋がるものがある。“腕時計の存在感”を表わすものといえよう。
  「デイトのとき」「遊びに行くとき」「呑みに行くとき」もある。時間を気にせずに楽しいひとときを過ごしたいものだが、そうもいかない、というところ。「気分転換」「お洒落」「ステータス」と思う人もかなりいる。
  変わった?ところでは「、目覚めの時」と「冠婚葬祭」があがっている。
  いずれにせよ、腕時計は今でも我々の生活に必要なアイテムとして様々に活躍していることは確かだ。






<Q3 自分の時計を購入するとしたら
              いつごろ(時期)ですか>


記念日や節目の時に
ご褒美、気分転換も


 「良いもの、気に入ったものがあるとき」と、こだわらない回答者が多い。「いつでも」「時期に関係ない」という人もいる。こういった層は、十分に時計ファンであり、メーカーや売り手がきめ細かい対応を行なえば市場活性化に繋がるだろう。
  はっきりと購入月をあげる例では「12月」「3月・4月・春」「1月」が多い。いずれも社会生活の節目の月であり、そういえばかつて<▽▽でスタート!>といった幕が春の店頭を飾ったことを思い出す。腕時計が“存在感”を持っていた時代だ。しかし、そうした思いは今でも変わらないはずだ。改めてこうした時期での訴求の大切さを感じる。
  その一方で、個人的な節目も昨今では重視される。「誕生月」や「何かの記念日」という回答は、そうした風潮を表している。そして、そうした流れは「何か良いことがあったとき」「自分へのご褒美に」「よく働いたから」さらに「新しいことを始めるときに」という消費者心理に繋がる。「気分転換に」という回答もある。確かなプロモーションで、こうしたニーズをしっかり捉えたいものだ。
  ただし、「いま使っている時計が壊れたとき」「財布に金が余っていたら」という回答も現実にはある。






 




時計美術宝飾新聞社調べ




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