 | 2016年に、ジュエリーコーディネーター1級に合格した岡本有紀子さんは、横浜市港南区で、ジュエリーリフォームとオーダーメイドジュエリーの専門店「OKAMOTO JEWELRY atelier & shop」を、デ ザイナー兼ジュエリー職人のご主人と共に営んでいる。 現在は、日本ジュエリー協会の資格制度委員会の委員も務め、ジュ エリーコーディネーター検定制度の運営や資格取得のメリットなどを検討する側面からも活躍されている。 そんな岡本さんに、JC資格がどのような点で役だっているかなどを聞いた。
▽ ジュエリーコーディネーター資格を受けようと思ったきっかけを教えてください。
岡本さん)大学卒業後に客室乗務員をしていましたが、結婚相手がジュエリーをつくる仕事をしていたので、ジュエリーに携わることになりました。 はじめは、ジュエリーに関する勉強は一日で完結する研修を受けたくらいで、知識はないに等しかったです。それでも接客業の経験を活かし、夫から教 えてもらいながらリフォームとオーダーメイドジュエリーの提案の仕事を10年ほど手伝うことができ、有難いことにお客様が増えました。 しかし9年ほど前に、自分たちのお店をオープンすることになってからは仕事の環境が変わり、私はお店に常駐することになりました。それまでのお客様の来店に加えて、ネットからのお客様なども順調に増えていったのですが、何の資格も持たない私は、ジュエリーの知識や販売の技術力の必要性を強く感じるようになりました。それまでは接客業には慣れているという思い込みや、夫の技術や知識に頼って乗り切っていたところがありました。幸いジュエリーに関する知識の多い年配のお客様から可愛がっていただき、恵まれた環境で上手くいっていたのだと思います。あまり根拠なくなんとなく感覚的だった提案ではなく、正しい知識を適切に伝え、喜ばれる接客をできるようになりたいと考え、調べて出会ったのがJCの資格でした。 3級に合格後、2級も翌年に受けて合格しました。これで終わりにしようとも思いましたが、JC1級を取得された人たちは、どんな方たちでどのように活躍されているのかと興味を抱くようになりました。そして実際出会うことができた1 級の方々の意識の高さが大きな刺激になりました。これがJC1級を取得しようと思ったきっかけです。
▽ 試験対策にやられたことはありますか?
岡本さん) 3級と2級はテキストを丁寧に読み何度も過去問題を解きました。 1級一次試験の筆記は、選択肢から選ぶ設問ではないので曖昧な知識では解答できません。3級と2級のテキスト全般を偏りなく理解し、さらに自分の言葉で説明できるように取り組みました。 一度目の1級の受験は、一次試験には合格しましたが二次試験が不合格でした。翌年にもう一度 チャレンジをするために、実技で自分に足りなかったことを色々学びました。 二次試験の試験対策として、宝石の講座に通い石を見る目を養いました。そしてロールプレイング試験のために接客の流れや内容を見直しました。そのほかでは、装身具の歴史の研究会に参加したり、日本真珠振興会のシニアアドバイザー資格を取得したり、ジュエリーについて学びたいことが次々出てきたので、さらに知識を深めました。
▽ ジュエリーコーディネーターの資格はどのように役立っていますか?
岡本さん) JCのテキストで学んだことも、ジュエリーに関する勉強をしてきたことも、合わせて全ての知識が今の仕事の役に立っています。 多くを学ぶことができたおかげで、私自身の引き出しがものすごく増えましたので、いろんな方向からお客様にアプローチできるようになりました。例えば、ジュエリーの歴史が好きなお客様に宝石や装身具の歴史などを織り交ぜ話が弾みますと、旅行や美術館などにも話題が膨らみ、趣味や嗜好がわかりやすくなります。宝石が好きなお客様とは、石の話で盛り上がって石から選ぶオーダーメイドにつながったり、デザインや加工に興味がある方には構造や作り方を詳しく説明することで説得力が増したり、似合うコーディネートを提案して複数のジュエリーのお買い上げにつながったりと、幅広い分野で話題性に欠くことがなくなり接客に深みが増したと思います。�TVショッピングなどで1級の認知度が上がっているようで、お客様から驚かれることがあるほか、取引先においても信頼度が上がったことを実感しています。
▽ これからJC資格を目指す人たちに一言お願いします。
岡本さん)接客の感じの良さでジュエリーが売れることはあるかもしれませんが、それだけでは限界を感じる時が来ます。ジュエリーの基礎知識はもちろんのこと、知識や提案方法の引き出しを増やすことで、より一層信頼され喜ばれる接客ができるようになります。その近道となるのがJCの資格だと思います。3級は幅広い基礎知識が身につき、2級ではより専門的なことが学べます。 学べば学ぶほど自分自身の自信になり、学んだことはすぐに現場で役に立ちますので、是非3級・2級・1級と目指して行ってもらいたいと思います。
▽ 資格制度委員会の活動について簡単に教えてください。
▽ 岡本さん) JC検定や接客コンテストなどのイベントの企画、資格制度の改善や見直しなどをおこなっています。 私はJC資格者の立場から意見や要望を出し、JCの資格者のメリット、資格者が全国から参加しやすいセミナーやイベントのオンライン化、JC情報の発信、 資格者が美術館のチケットや関連商材の割引が受けられるなどの特典の導入などの議論を進めています。
▽最後に、OKAMOTO JEWELRYについて教えてください。
岡本さん) 店舗内に工房がある オーダーメイドとリフォームの専門店です。デザイン提案からジュエリーの完成までをほぼ店舗内で行っています。ジュ エリーショップでありながら並んでいる 商品はほとんどなく、毎回の案件ごとに必要な素材やデザイン、サンプルなどを用意しながら商談を進めるのが特長です。リフォームやオーダーメイドを求めるお客様は、様々な想いを抱えて相談に来られますので、ひとりひとりの好みや希望を伺う時間を大切にしながら、 お客さまと一緒にデザインを考えていきます。 また、JC1級取得後、カラーの資格とパーソナルジュエリーを診断できる方法を習得したことで、「自分らしく魅力 的にみせてくれるジュエリー」に出会え るサポートができるようになりました。 診断を取り入れた接客は、お客様が自分らしいもの似合うものを実感できてとても説得力があると好評です。ネットの普及で国内各地や海外からのオーダーも増えました。対面でもオンラインでも、デザイナー兼クラフトマン、ジュエリーコーディネーターが常駐している ことで、多様なニーズにスムーズに対応できるのが私たちの強みだと思っています。
〜ありがとうございました〜 https://www.okajee.yokohama/about.html |
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