貴重な七宝のひとつとして愛された
珊瑚(サンゴ)は、お守りとして3万年前の遺跡から、または紀元前4千年の女神が持っていた宝物の中にも発見されており、高貴な人々の宝物として珍重され、宝飾品として現在まで受け継がれてきている。
東洋では、仏教の経典に地上の宝物として珊瑚は日本に伝来し、今日まで貴重な七宝(七つの宝物)のひとつとして愛されてきた。
【写真1】サンゴのジュエリーコレクション
魔除けの効果抜群
サンゴは、昔から“魔除け”の効果があると信じ、サンゴを尊び、その治療効果を信じる人は世界中にたくさんいる。
日本では仏教の経典の中にも息づき、七宝の中の一つとして珍重されているサンゴは、魔除け・宝石・お守り・媚薬・貨幣から肥料にいたるまで、幅広い用途とされている。1600年代はじめ、「宝でもあり、麻薬でもある」と賞賛されたり、課税されたサンゴは、実に多くの貌を持った宝石といえよう。
【写真2】魔除けとなる念珠
特徴と他の宝石との違い
西洋のギリシャ神話では、珊瑚はペルセウスが切り落として浜辺に晒して置いたメドウーサ(悪魔とされていた)の首から流れ出た血が固まってできたとされている。
東洋ではすでに紀元前3000年頃に、物々交換の市場にも登場、日本では、仏教の伝来と共に渡来してきた。
仏教の教典の中に地上の宝物「七宝」を総称して金・銀・珊瑚・瑠璃(ルリ)・披璃(ハリ)・蝦蛄(シャコ)・瑪瑙(メノウ)の事を印している。
極楽浄土では、七宝で飾られた宮殿と花々の美しさ、小鳥たちの鳴き声など、まさに「七宝荘厳」にふさわしい所を極楽浄土と語られている。
宝石珊瑚とは、大昔より西洋、東洋共に人類の原点「健康」「幸福」に欠かせない、身につける守護石として、共存して今日に至っている。
現在、科学的解明として「珊瑚がガン」に効き、長寿には珊瑚水が良いと立証されている。
珊瑚は宝飾品のみならず薬用品、貨幣、装飾、媚薬、肥料等々長い間人々に珍重されてきた。【写真3】
海の神秘
サンゴの誕生は海の神秘そのもの。サンゴ虫の産卵から始まり、成長の段階で海中の生き物全ての栄養源であるプランクトンを食べながら、繁殖成長をしていく過程で、サンゴ虫が分泌物を出し、炭酸カルシウム性の骨格軸を形成していく。その骨格軸がサンゴ礁をつくり、また成長の過程で海中の炭酸ガスを吸い、酸素を放出し海の魚を守り、海水を浄化している。
海の神秘はサンゴなしでは生存・存続できない。そのためにもサンゴは貴重な役割を果たしているといえる。
【写真4】サンゴ虫生息の様子
【写真5】出芽の初期。数年後にサンゴの株となる。
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