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日本ジュエリー協会(JJA)が議員連盟に対し要望

2024/06/18(火)

 

技能五輪やグローバル化の支援などを含め今後の前向きな取り組みに期待

 

ジュエリー議員連盟の総会が2年振りに612日、衆議院第一議員会館で開催され、野田聖子会長をはじめ、堀内詔子幹事長代理、辻清人事務局長ほか、経済産業省から4名、功労労働省から1名、外務省から1名が出席し、 日本ジュエリー協会(JJA)からは、長堀慶太会長、加藤久雄副会長、深沢栄二常任理事、田中由美理事、塚本仁人専務理事、小林知子事務局長と㈱ナガホリの吾郷雅文常務取締役が出席した。  

1時間という限られた時間の中で、会長挨拶からスタート。野田会長は「2年振りの開催で、小山会長から長堀会長へJJA会長も変わられ、今までの積み重ねをさらに新しいメンバーで、色々な知恵を出し合って、日本のジュエリー産業の発展のために、色んなものを実現できるように頑張っていきたいと思っています。この2年間においても色んな要望は聞いていました。これから、コロナ後にジュエリー協会がどのように産業として、しっかと歩いていくか。そして様々な規制や外交がある中で、どういう知恵を出し、共に支えていけるか、前向きに頑張りたい」と、意気込みを語った。 

長堀会長は「このジュエリー議員連盟は5年前の20195月に設立され、発起人として尽力された宮川典子先生に感謝したい」と簡潔に挨拶し、次にメインとなるJJAからの議員連盟への要望事項をプレゼンテーションしながら伝えた。  

まずは国内のジュエリー小売の市場規模が、2022年から2年連続で1兆円を超え、2024年もさらに伸びる予想として前向きな現状を伝えた上で、JJA 2024年度の5つの方針、①消費者の信頼向上策の充実、②人材育成支援策の強化、③国内活性化策の推進、 ④「ジャパンブランド」の発信、⑤会員増員策の推進を簡単に説明下後に、 議員連盟への要望に入った。  

要望は3つ。1つ目は、技能五輪全国大会・国際大会出場者への支援。JJA としては厚生労働省から中央職業開発協会への委託事業として、技能検定技能五輪全国大会と技能五輪国際大会及び、技能グランプリの運営に協力しており、関連するのは貴金属装身具種目。制限時間内に作り上げるには訓練が必要な上に、材料費や交通費など概算で一人45万円掛かる。中小零細の多いジュエリー業界としては経費が重荷となっていることから資金的な支援が必要と説いた。また、この10 年では参加者は他産業と比べ少なく、 隣国は国を挙げた支援策があることに加 え、技術者はリスペクトされ、 憧れの職業となっている点などを挙げ、伝統技術の継承と地場産業の発展、人材不足の解消などにおいても資金面での援助は必要不可欠とした。 

2つ目は、グローバル化支援における香港ジュエリーショーでの「ジャパンブランド」展開への支援。日本が誇るデザイン匠の技、品質の高さは個別に評価されているが、グローバル化が遅れていることから、JJAとしては2025年の秋の香港ショーでのローンチを目標に ジャパンブランドの立ち上げを進めている。現状では真珠や二次流通品のイメージが強いのが現状で、ミキモトや TASAKIは世界的に知られているが、日本をイメージできるブランドは少ない。SNSEコマースが盛んな中で、中国のバイヤーから日本のブランド戦略 を求める声が多数寄せられており、品質の高さや価格競争力だけではなく、付加価値戦略が求められている。既にジェトロ様にも協力を仰いでいるが、今後の取り組みにおいて相談していきたいとした。 

3つ目は、ロシア産ダイヤモンド輸入規制について。G7主導の声明に基づき、ダイヤモンドの貿易を行っている会員を中心に説明会を実施している。具体的な要望としては、①添付証明書類の条件緩和、②インボイス作成条件の緩和、③規制対象外の輸入済みダイヤ(GFD)に対する登録制度化の再検討の3つを挙げた。各省からは、ロシア産ダイヤモンドの輸入規制について、日本が厳しい規制とならないよう他国とも議論しながら検討していきたいとの回答があった。 海外展開においては、しっかりとした支援をしていくために、どういったコラボ レーションができるなど、対策に繋がるように相談していきたい。ブランド戦略は非常に重要。例えば山梨のワインのように、海外での賞を獲得し、国内での市場活性に繋げるなどの戦略が必要。エキスパートによる支援の取り組みも考えられるなどの回答を得た。技能進行を図る点においては、協議会の立ち上げが非常に大きなツールになるという。職種別分科会として業界ぐるみによる強化が望ましいなどとされ、前向きな議論となった。  

今後は山梨と東京・御徒町の現場の視察や香港の状況を含め、1111日のジュエリーデーをベンチマークとして、相談しながら進めていこうとなった。  

コロナ禍を挟み2年ぶりの開催となった議員連盟との総会では、具体的な話が進み、これまで以上に期待できる策が議論された。今後も議論を重ね、様々な策や知恵を出し合うことで、日本のジュエリー産業の発展やグローバル化が実現されていくことになると思われるが、やはりそこで重要となってくるのが、同じ目的のために、同じヴィジョンを掲げながら、メーカー、卸、小売りのそれぞれが協力できるように情報を共有し、意識を高め、産業が一つになった取り組みが求められることだろう。積極的に自ら情報を取りに行く姿勢も大事であるし、日頃から関心を深めていくことや周りを理解しあうことも大事だ。これは決して自分が儲かれば良いというような話ではなく、次世代に繋げていく重要な課題であり、失われた30年を取り戻すチャンスでもある。これを進めていくJJAは 大変だろうが、期待するしかない。約 800社いる会員の協力にも期待する。

https://jja.ne.jp/

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