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FGA資格取得者 インタビュー

2024/02/17(土)
「クリスティーズ・ジャパン」
笠原可名さん

資格を取得して初めて宝石学のスタートラインに立てました

  生活スタイルが一変し、 様々な方法による販売スタイルが確立された。価値観も人それぞれで、個性が重視されている市場のように見えるが、基本的には「正しい情報」に裏付けされた「正しい価値」 が追求されたモノやコト、サー ビスが人気を集めている。誰でもジュエリーを売れる現代社会において、確立されたプロとして消費者の役に立つには、宝石の知識や高い技術を知ることでしか叶わない。今こそ教育の大切さを思い出し、資格取得の大事さを考えるきっかけとして、2023年にGem-A宝石学ディプロマ試験に合格し、FGAの称号を取得した、世界最古の美術品オークションハウス「クリスティーズ・ジャパン」に勤める笠原可名氏に資格取得のきっかけや今後の展望について話しを聞いた。

FGAを目指すきっかけを教えてください?

 大学を卒業後、金融の会社に 就職しましたが、オークションに 興味があったので2015年にクリ スティーズに転職しました。会社 のOJT(職場内訓練)で色々な勉 強をしましたが、宝石については きちんとプログラムされた宝石学 を学んだ方がいいと思い、FGA 資格に挑戦することにしました。

どのように勉強されましたか?

 Gem-A宝石学 コースの1年目のファ ンデーションコース は、仕事との両立を考 えて 、通信指導コースを選びました。通信指導コースは時間の調整がしやすいのがメリットです。講義の動画を電車の中や仕事終わりに見たり、何度も繰り返し確認できます。先生による過去問の回答に対する添削は、隅々まで目の行き届いた非常に充実し た内容が多く、教科書のように過去問 を解く度にその添削を見直しました。
 また通信コースとて、同級生と仲良くでき、東京の人と週末に集まって勉強会ができました。同級生は、宝飾業界で色々な仕事をしている人がいたので、見聞を広められたのも良かった点です。ディプロマコースに進んだ時は、何種類もの石を見た方がいいとアドバイスを受け、通学コースに変更しました。
多くの石を見るには時間も必要で、一つの石の中で見るべきところも増えたので通学がベストな選択でした。例えば、そこにあるインクルージョンに気づけないこともあり、その都度先生の教えによって、初めてどうやって見るのかが分かるようになりました。

どのような試験対策をしましたか?  

プレッシャーで試験が夢にまで出てきました。でも、手にペンだこができるくらい勉強したのは人生で初めてと思うくらい努力したので、それは良い経験になりました。試験対策としては、ノートに何度もまとめました。理解できていると思っても出来てない部分があるので、それをどれくらいつぶせるかが大事だと思います。
 ディプロマでも勉強会は継続していました。みんなでノートを見せ合ったり、石を持ち寄って鑑別したりしました。他の人の解答を見ることで、こういう書き方もあるんだということも分かり、その繰り返しの中で自分の解答ができてきたと思います。FGAの試験は絶対評価なので、同期はライバルではなく共に助け合って合格を目指す仲間です。みんなで一緒に合格するためにどれだけ頑張れるかを大事にしていました。私はクラスメイトにも恵まれていたと思います。

現在の仕事にFGAはどう役立っていますか?

 現在は、東京オフィスで宝石を担当しています。海外でジュエリーのオークションが開催された時に、日本のお客様が「買いたい」「売りたい」という際に、通訳や書類の確認、発送の手伝いなどをしています。

(2面より続く)FGA取得前は、オー クションの世界しか知りませんでしたが、Gem-A宝石学コースでは宝石が採掘され、それがどのようにジュエリーになり、どのように売られるかまでの過程も学びます。また、オークションに出る宝石はある程度限られた宝石ですが、実際の鉱物はもっとすごく沢山あることも知りました。宝石の知識を得ることで、 予測できなかったことが予測できるようになり、想定できる幅が広がったと思います。今は色々な合成石やラボグロウンダイヤモンドなど鑑別が簡単でないものも出てきていますが、目の前にある石には、常にその可能性があることを知識として得られたことは良かったです。また、オークションのお客様は年上の方が多いですが、資格を取ったことで若手の私でもすごく信頼を得られるようになりました。

会社からのサポートはありましたか?

 学費の一部を会社が負担してくれましたし、通学コースで平日が授業の日は休みをもらえました。上司も合格したことをすごく喜んでくれました。私の受験は会社としても初めての取り組みでしたので、今後につながれば良いと思います。

資格を取得した現在、描く将来への夢は?

 海外支社では宝石の鑑別をして価格をつける部門のスペシャリストと呼ばれる人の中に、FGAを取得している方がいます。将来的には、私もそのスペシャリストになりたいと思っています。FGAの勉強をして、宝石の世界はすごく深いことが分かりました。勉強している時は、これですべてを学んだという気分になっていましたが、資格を取得して改めて考えると、今初めて宝石の世界のスタートラインに立てたのだと分かりました。これからもスペシャリストになるべく知識を増やしていきたいと思います。

宝石学の資格取得の意義は?  

宝飾業界は裾野が広く、学者のように詳しい人から、ほとんど知識のない人まで一緒に働いています。 FGAは業界の中で権威があるので、 持っていることで宝石について勉強しているという認識を相手に与えることができます。FGAは業界のお客様にも信頼がおかれている資格だと思います。それにより私自身の信頼につながっていると思います。  FGAは勉強量が多く、大変な資格だと思いますが、同じ目標に向けて頑張る良いお友達もできますし、自分の知識が増え、お客様からも信頼してもらえる非常に価値のある資格だと思いますので、ぜひ多くの方に取得していただきたいです。

笠原様、ありがとうございました。

FGAについて=FGAは、イギリスのGem-A(英国宝 石学協会)が認定する世界で最も歴史のある宝石学資格。国内では日本宝飾クラフト学院でATC(認定教育機関)としてGem-A宝石学教育を学べる。FGA を取得するには、まずファンデーションコース(基礎課程)に入学し、ファンデーション試験に合格する必要がある。ファンデーション試験に合格するとディプロマコース(上級課程)に進める。ディプロマコースを終え、ディプロマ試験に合格すると、所定の手続きを経てFGAを取得できる。日本宝飾クラフト学院の宝石学部では、通学コースと通信指導コースを設けている。通学コースは6月入学、通信指導コースは9月入学となる。また、説明会は随時開催している。パンフレットの請求・説明会の申し込みはホームページ(https://www.jj-craft.com/)またはフリーダイヤル0120-3388-26まで。
 クリスティーズ・ジャパン代表取締役社長の山口桂氏は「クリスティーズは世界最古の美術品オークションハウスですが、扱う商品は美術品のみならず、時計やワイン、ハンドバッグ、そして宝石のいわゆるラグジュアリーと呼ばれる品物も取り扱いがあり、売上や商品構成上非常に重要な位置を占めています。その宝石部門の営業担当者は、高額商品を扱うクリスティーズの『顔』として、当然作品の品質や状態に関してお客様と話をするのですから、日々勉強をしなければなりません。そしてその時の最大の武器になるのが、FGAの資格ではないでしょうか。笠原さんの宝石に対する情熱は日頃から目を見張るものがありましたが、この資格を取って、それこそ『鬼に金棒』。これからもこの資格を武器に、益々宝石の重要顧客からの信頼を勝ち得て、良いコレク ションを通じて更に成長することを期待しています」と、知識を得ながら学び続けることの大切さを説いたのではないでしょうか。笠原さんの宝石に対する情熱は日頃から目を見張るものがありましたが、この資格を取って、それこそ『鬼に金棒』。これからもこの資格を武器に、益々宝石の重要顧客からの信頼を勝ち得て、 良いコレクションを通じて更に成長することを期待しています」と知識を得ながら学び続けることの大切さを説いた。
https://www.jj-craft.com/gem-a/
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