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FGA資格取得者インタビュー

2024/05/16(木)

 

次世代のジュエラーが求める「知識」と「資格」と「自信」と「+α

 

 宝石についての正確な知識を身につけることは、ジュエラーにとって必須科目なのは宝飾業界の常識だが、その一方で勉強不足と言われ続けてもいるのも宝飾業界だ。宝石・宝飾のプロを育てるための教育に時間を使っているか見直したい。

 今は正に時代が変貌し、ネット販売は当たり前となり、独創性を求めるニーズは幅広く、それに合わせ販売スタイルも多様化し、商品価値も様々だ。その多くは、豊かな感性を持つ人や宝石の知識に長けた人など、宝飾業界に関係のない次世代の人たちが元気だ。人材不足に悩む宝飾業界ではあるが、新たにジュエリービジネスを目指す人たちはネット販売を活かして増えてきている。宝飾業界の売り方を熟知する人も増えており、基本価値や期待価値だけではなく、宝石の新たな価値を見出す人たちが増えてきていることから、今後は何をどのように差別化を図るかが、重要になっていきそうだ。そのためにはまずは知識である。

 今回は、2023年にFGAの資格を取得し、新しいジュエリーブランドの立ち上を目指す高橋まりの氏とジュエリーデザイナーを目指す高木ひふみ氏の二人に資格取得の経緯や意義について話を聞いた。

 

「国際的な資格は信用の証」 高橋まりの氏

 

宝石の勉強をはじめたきっかけは?

現在中古業の会社に勤めていて、ジュエリーや宝石の売買は数字が伸びているという話を聞いたのがきっかけです。自分でも、将来的にジュエリーのブランドを立ち上げ、宝石の売買をしたいという思いから、本格的に宝石学を勉強してみようと思いました。

 

FGAの勉強はどうでしたか?

 思った以上に学術的でした。宝石の起源や組成などから始まるのは予想外でしたが、宝石の豊富な知識を学べることが多く、これからビジネスを始めたときにお客様にどう説明すればいいのかなどのアイデアが膨らみました。

 

実技試験の勉強はどうでしたか?

 ジュエリー業界の人間ではなかったので、最初は宝石を見ても何の宝石か全然わかりませんでした。それがファンデーションコースを終えるころには、予想がつくようになったのは自分自身驚きでした。授業でもそれ以外でも、とにかくたくさんの宝石を見ることが大事だと実感しました。とにかく自分の目で確かめて、わからないことは先生に何度も質問を繰り返さないとわかるようにはならないと思います。

 

ロンドンの授賞式はどうでしたか?

 私は留学経験が何回かあり、海外を含め複数回の卒業式に出ましたが、その中でも一番豪華な式典で、さすが宝石の世界だと思いました。宝石はキラキラしていますが、宝石の勉強は観察や筆記の練習など思っていたより地味でした。それがこの授与式で初めてこれが想像していた宝石の世界だと感じられ、試験に合格した達成感と、これから宝石の世界で生きていくんだというわくわく感が一気に押し寄せて感動しました。また、出席者全員が豪華なドレスを着ていて、これぞ宝石の世界だという雰囲気を、これからFGAを学ばれる方も、人生に一度なのでぜひ出席した方がいいと思います。

 

これからの夢は?

 自分の会社を立ち上げてブランドを作るためにマーケットリサーチをしています。海外展開も視野に入れているので、国際的な資格を持っていることでどこに行ってもこの人は宝石について勉強していると思ってもらえる利点があります。宝石のビジネスには信用が大事です。目の前の石がどういう石なのか、宝石を正しく説明できるというのは、ビジネスにおいて強いと思います。

 

FGA資格取得の必要性は?

 今は合成石やラボグロウンダイヤモンドなど様々なものが出てきていますが、お客様はほとんど何もわからない人が多いです。それをきちんと説明できることは信頼や安心につながります。お客様とのエンゲージ、信頼関係を築くには自分がどれだけ説明できるのかが大事になりますので、その能力を鍛えられるFGAの取得には多くの方にチャレンジしてもらいたいです。私は業界に入る前に資格を取得しましたが、それがよかったと思います。何も知らないでビジネスを始めるよりも、自分でわかって説明できる状態で始めるので、自信をもって仕事ができます。

 

宝石の勉強をはじめたきっかけは?

 父が昔、キュービックジルコニアはダイヤモンドと色々な数値が近くて凄いという話をしていました。その後、ダイヤモンドのグレーディングを勉強してみたいと思った時に、その父の話を思い出し、せっかくなら本格的に宝石を勉強しようと思いました。そして選んだのがGem-A宝石学です。

 

FGAの勉強はどうでしたか? 

人生の中で一番勉強をしました。しかし、興味のあることなので大変だけど楽しく頑張れました。通学コースでしたが、授業はとても興味深くわかりやすかったので、苦しいこともありましたが有意義な2年間でした。

 

実技試験の勉強は?

 実際に石を見るのは楽しくて、実技がなければ続かなかったと思います。 私は、ジュエリー業界の人ではなかったので、宝石の名前はコランダムも知らないレベルでした。最初は雲をつかむような感じで宝石を見ていましたが、だんだん石を見たらこれじゃないかなという予測がつくようになりました。授業で厳しく教えられたおかげだと思いますが、わかるようになった自分も凄いと思っています。

 

ロンドンの授賞式はいかがでしたか?

 Gem-A宝石学を学んだ2年間は自分の人生の中で最も濃い時間でした。これだけエネルギーをつぎ込んだものの結果が、ただ郵送で送られてくるだけというのはもったいないと自分で思って、実感を深めるためにロンドンに行きました。2 年間の集大成の最後にこの式に出ることで、本当の完結だと思います。 これからFGAの取得を目指す人も、合格したらぜひ出席してください。授与式では、着物を着たいと思いましたが、荷物になるので着物をリメイクしたドレスを作って臨みました。壇上に登ったとき、他の国の人からも注目され、日本をアピールできたと思います。

 

これからの夢は?

 FGAの取得前はダイヤモンドを中心 に考えていましたが、Gem-A宝石学を 学んで色石に興味が出てきました。こ れから自分のブランドを立ち上げようと 思っていますが、ダイヤモンドを使わず カラーストーンで作ろうと思っていま す。FGAを取得したので、どんな石も わかりますし、取引できる自信も付き ました。美術の勉強もしていたので、 これからはジュエリーデザイナーとし て頑張っていきたいと思います。現在 も、インドの人と取引をしていますが、FGAを持っているというと相応の対応をしてもらえます。勉強が私に自信を与えてくれました。

 

FGA資格取得の必要性は?

 先日のIJTにも買い付けにいきましたが、FGAを持っているというだけで、この人は宝石の勉強をきちんとしていると思われるのか、お店の対応が違います。まさに鎧をまとったような感じです。宝飾業界で働く人は取るべき資格だと思います。宝石は安いものではないので、お客様に売るときの信頼関係が大事だと思います。その信頼を与えてくれるのが、FGAのような宝石学の資格だと思います。

 

FGAについて

 両氏の取得したFGAは、イギリスの Gem-A(英国宝石学協会)の認定する世界で最も歴史のある宝石学資格である。現在は日本宝飾クラフト学院がATC(認定教育機関)として日本でGem-A宝石学教育を行っている。 

 FGAを取得するには、まずファンデーションコース(基礎課程)に入学し、ファンデーション試験に合格する必要がある。ファンデーション試験に合格するとディプロマコース(上級課程)に進める。ディプロマコースを終え、ディプロマ試験に合格すると、所定の手続きを経てFGAを取得できる。日本宝飾クラフト学院宝石学部では、通学コースと通信指導コースを設けている。通学コースは6月入学(2024 年度は締切)、通信指導コースは9月入学。同校宝石学部では、説明会も随時開催している。パンフレットの請求・説明会の申し込みはホームページ(https://www.jj-craft.com/)またはフリーダイヤル0120-3388-26まで。

 

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