B to Bとしての重要性や需要感じた
消費者と業界に発信すべきこと
ジャパンジュエリーフェア2024(JJF)が8月 30日に幕を閉じた。 8月28日の初日は心配された台風の影響を跳ね 除け大勢の来場者で賑わい、活発な商談が行われた。JETROによる海外販 路開拓支援が実施され、 海外バイヤーや海外からのソーシャルバイヤーを誘致。それらにより販路が 広がった話をはじめ売上に繋がった話も聞かれた。ソーシャル系が多い中、真剣な国内のバイヤーも多く、各種セミナーやイベントは満席となった。BtoBとしての宝飾見本市の需要や必要性が一部で垣間見られたが、宝飾産業に関わる人たちが、どこまでその必要性や大事さを見たり感じたりできたかは定かではない。出来る出来ないや、優先順位は別にしても抱えている課題の見える化は必要であろう。
JJFは世界最大の宝飾展「香港ジュエリー&ジェムワールド」を主催するインフォーマ社と一般社団法人日本ジュエリー協会(JJA)との共同プロジェ クトである。 BtoBに特化されたJJFには、昨年を大きく上回り国内外から350社以上の出展社が一堂に集結。国内市場の活性化が主な目的になっているのだが、仕入をしているのは海外バイヤーか海外へ販 売するライバーたちであり出展社と来場者の顔ぶれにも大きな変化が生まれている。望まれている国内の小売店による積極的な仕入れは一向に活発化する気配は見られず、日本真真珠輸出加工協同組合によるアコヤ真珠の値動きを読むセミナーが海外バイヤーに向けて開催されるなど、国内市場と海外市場に対する様々な対策が必要になってきており、特に今後のJJFの質を左右するであろう国内小売店に来場の重要性を伝える講演などを開催するべきである。このままでは自力で解決できない小売店は取り残されることになりそうなほど、仕入をしない小売店の思考と複雑に販路を広げることに努力するメーカーの想いが掛け離れているように思われた。
このような見本市実施の方針や宝飾産業としての戦略さえも日々の商売、催事などは繋がっており、全体的な協力は必要不可欠なことであるのに、思考や価値観の相違を理由に初めから一丸となることを諦め、淘汰されることを願う人の多さが発展を遠ざけているように感じてしまうところだ。
会期2日目が終了するまでは影響を感じられるような雨はどうにか降らな かったが、台風の上陸が早かった九州地区や関西方面からの関係者たちが多少はいたようでも、早くからキャンセルした人も多く、JJFに訪れたとしても早々に引き上げねばならないほど、 台風の影響は広範囲に及んだ。また、 JJFに影響を与えたのは台風に限らず、8月8日に発表された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)により国内の消費活動が萎縮し、旅行関 連消費が2000 億円程度減少したといわれる通り「地震」による 影響は海外にも伝播し計り知れないものがあった。実際に中国と取引のある出展者によると、地震を警戒しJJFに来なかった中国人は多いとのことだった。心配された3日目は、想像したよりも遥かに人が多く、真剣なソーシャルバイヤーや活発なライバーが最後まで商談を続けていた。それでも関西方面の企業は2日目にブースを後にしたところや、3日目も早々に後片付けを始めるところもあるほど全体の来場者は少なかった。
ただ台風の影響のない地域からのバイヤーが様子を見て3日目に来場した例もあったと思われ、出展者の多くは内容の濃い商談や真剣な人が多かったと答えた。台風さえなければ、非常に盛り上がる見本市になったことが感じられ残念に思った人が多かったことだろう。新たなビジネスチャンスの発見は、まだまだ期待できそうである。
チャレンジと応援すべきこと
ただ時代は変わり、プレーヤーも変わった。その新しいプレーヤーのほとんどはJJFや業界の中心にはいない。そしてJJFは既存の考えや視点だけで動いている。 確かに支えているのは既存の小売店やメーカーかもしれないが、この時代に合った盛り上げ方も必要であろう。この先の移り変わりは、この数年よりもより早くなることは明らかであり、最先端を知りながら自分のビジネスに落とし込むことが大事になる。その最先端は現在必要ないにしても知っていないと期待感は失せることだろう。
JJFにも期待感が必要だ。どんなに人を引き付けるタイトルのセミナーやイベントを仕掛けたとしても、期待できる内容でなければ人は呼べない。変革の時代だから経験者だから良いとも限らない。正解がない、もしくは難しいならば、多勢との議論が必須であり、考え続けることが大事なこと。時代は大きく変わった。この業界では多くは語られないが、環境や社会貢献、地域貢献、グローバル社会、ITなどビジネスに紐づけられていることが足りていない。自分達の判断ではなく今の世代が学んでいる常識を知ることから始め、出来る出来ないではなく、日頃からの意識を高めていくべきだ。そして今のビジネスやその内容を自分の子供に自慢できるか、次世代に繋げたいか。そんなことが問われている社会で、この業界は魅力に映っているのかを基準に考えるべきであろう。
大谷翔平の成功も彼を信じる人がいるから成り立っている。今では米国の最先端技術や質の高いサポートにも支えられているに違いないが、大谷の可能性を見抜けなかった日本の大御所の意見や古い考えに巻き込まれていたら世界を魅了する大谷は生まれなかったかもしれない。誰もが想像できない成功を成し遂げ続けているのは、彼の飽くなき挑戦があるからこそ。正解のない時代だからこそ、チャレンジすることが大事であり、特に大御所になればなるほどチャレンジする人を応援すべきことに気づきたい。そして誰からも愛される人柄の大切さを日本人は彼から学んでいるはずだ。 ◀続きは3面へ
