装う楽しみや生きる活力等女性に与えた
「これは、偽りなく美しい “ニセモノ” のジュエリー」 と言ったのは、あえて本真珠と模造パールをあわせて身に着けた「ガブリエル・ シャネル」だ。彼女にとって、素材が何であれ、デザインやスタイルにこそ真の価値があることを表している。
コスチュームジュエリーとは、宝石や貴金属を用いず、ガラスや貝、樹脂など多種多様な素材で制作されるファッションジュエリーのこと。素材から解放され自由なデザインを提案できるコスチュームジュエリーを、2 0世紀初頭のポール・ポワレが先駆けとなり、以降シャネルやディオール、スキャパレッリなどフランスのオートクチュールのデザイナーたちがこぞって取り入れた。やがてヨーロッパ、そして戦後はおもにアメリカで、コスチュームジュエリーは広く普及し、当時の女性たちに装う楽しみだけではなく、生きる活力、自由や自立の精神をもたらした。 4月26日から愛知県美術館で開催されている「コスチュームジュエリー」(主催:中京テレビ放送)では、20世紀初めから戦後に至るコスチュームジュエリーの歴史的展開を日本初の展覧会として6月30日まで紹介している。館内では、小瀧千佐子氏による世界的に希少なコレクションからジュエリー約 450点と、当時のドレスやファッション雑誌などの関連作品を通して、その魅力を堪能できる。詳細とコレクションは W&Jオンラインで見ることが出来る。