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「赤銅」---。それは銅に金をオリジナルの配合方法で混ぜ合わせることに
よって生まれる金属。赤銅の歴史は古く、江戸時代には刀の鍔や目貫、か
んざしといった美術工芸品にも用いられ、当時の人々の憧れでもあった。
この日本の伝統的な金属の美しさはいつしか国境を越え、今なお「SHAKU
DO」として海外においても珍重されている。

  その赤銅が長い時を経て、ジュエリーとしてよみがえり注目を集めている。
赤銅を18金あるいはプラチナとコンビネーションさせ、そこにダイヤモンドをあしらい多彩なデザインを施すことで、まるで新たな命を与えられたかのように独特な美しさを醸し出す「赤銅ジュエリー」。それは伝統美を現代に伝える“ネオ・モダンアートの世界”への誘い。






 YUMIKO YAMAZAKIブランド「地水火風」などさまざまな作品を発表しているジュエリーデザイナー・山崎裕見子さんが、新たなブランドとして本格的な展開を図る「赤銅ジュエリー」には、象嵌タイプと透かしタイプの2種類がある。

 象嵌タイプには「シンプルモダン」「炎〜ほむら〜」、透かしタイプには「アラベスク」などのラインがある。象嵌タイプは地金の溝に赤銅を叩き込んでいく伝統的な技法で、赤銅部分がピンクゴールドから徐々にチョコレートブラウンへと色が変化、赤銅ジュエリーの大きな特徴となっている。
  また新作「明けの明星」は、雲間からこぼれる星の閃光を、赤銅の刻みに流し込んだ鋭い金色の筋で表現(上の写真)。18金の枠で赤銅を留め、その上にプラチナのパーツをかぶせるという三重構造によって作られた繊細な芸術作品。

  赤銅ジュエリーは山崎さんが8年前から取り組み、長く静かな人気を保っているベストセラーシリーズ。今回の本格的なブランド展開は、ジュエリーデザイナーとしての新たな道しるべづくりとも言える。「9月香港ジュエリー&ウオッチフェア」にも出品し、高い評価を得た。