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01/15(Wed) ダイヤモンドの発色要因についてT
実際はイエロー、グリーン、ブルー、ピンク等色々な色調のダイヤモンドが存在します

ダイヤモンドというと一般的に無色透明な石を想像すると思いますが、実際はイエロー、グリーン、ブルー、ピンク等色々な色調のダイヤモンドが存在します。以前、お客様よりダイヤモンドの色の原因について質問を受けましたので、説明をしたいと思います。ダイヤモンドの結晶構造は、1個の炭素原子を中心に4個の炭素原子がちょうど正四面体の頂点にくるような配置をした単位の繰り返しによって結晶が形成されています(図1) 。
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01/15(Wed) ダイヤモンドの発色要因についてU
青色の光だけが結晶を通過するため、その結晶は青く見えます

隣接する炭素原子同士は、結びつくために必要な電子を双方の原子が共有することで結合しています(共有結合)。それは模式的に二次元的に表すと図2(結晶格子)で示すようになり、各炭素原子がそれぞれ4本の結合の「手」を使って隣の炭素原子と結合しているように表わされます。このように炭素原子が正確に配列した結晶では、白色光線を構成する一部の波長(色)だけが吸収されることはないため、ダイヤモンドは無色です。
ダイヤモンドはほぼ純粋な炭素の結晶ですが、実際には不純物として窒素、水素、ホウ素等の元素が結晶格子に入り込んだり、結晶格子中に炭素原子の抜けた孔(空孔)を残していたり、結晶格子が外的圧力で歪んでいることもあります。ダイヤモンドに色がついて見えるのは、これらの欠陥が結晶格子中に存在すると、白色光のうち特定の波長をもった光だけが結晶を通過して私たちの目に届き、その結果、色が付いて見えます。例えば、ある欠陥によって赤色部と緑色部の光が吸収されると、青色の光だけが結晶を通過するため、その結晶は青く見えます。(図2)
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01/15(Wed) ダイヤモンドの蛍光について
なし加熱前

ダイヤモンドは、ほぼ純粋な炭素の結晶体ですが、ごく僅かな不純物として窒素が含まれます。
不純物の窒素を含むダイヤモンドにX線や紫外線があたると、X線や紫外線は目に見える光に変換されて放出されます。
この現象を蛍光現象と呼び、光を蛍光と呼びます。それぞれのダイヤモンドには構造的に違いがある事から、それぞれ異なる蛍光性を持っています。即ち、人間の性格と同じように固有の特徴(人間に置き換えれば個性)になります。ダイヤモンドの蛍光は、発光色の強弱により、None(無)、Faint(弱)、Medium(中)、Strong(強)、Very Strong(極強)の5段階に分類し表示されます。一般的にブルーの蛍光が多くを占めていますが、その他の色調では、イエロー、イエローイッシュグリーン、レッド、オレンジ、ピンクと様々です。蛍光の発色性の違いは不純物の種類や、欠陥の形成状態により変化するものだと考えられています。
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01/15(Wed) ダイヤモンドの蛍光について
加熱後

蛍光の発色が強いダイヤモンドはカラーグレーディングを行う際に注意しなければなりません。一般的なダイヤモンドの持つイエロー味は補色であるブルーの強い蛍光色により相殺されダイヤモンド自体の色を良く見せてしまうからです。確かに強い蛍光色を持ったダイヤモンドは本来持っている地色を隠してしまうものもあります。これは全てに対して言えることでは無く、ごく一部のものに対してです。しかし、逆の考え方をすればユーザーが身につけて行く場所によっては蛍光色の強いダイヤモンドは注目を浴びる可能性もあります。 例えば、ブラックライト等が設置されているパーティー会場やバー等では怪しく神秘的なブルーの発色が浮かび上がり、貴女をより一層引き立ててくれるでしょう。
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01/15(Wed) ダイヤモンド鑑別の現状について
ここ数年ダイヤモンドの鑑別が困難になって来ています

ダイヤモンド処理技術の進歩、合成ダイヤモンドの品質向上などにより、ここ数年ダイヤモンドの鑑別が困難になって来ています。中央宝石研究所ではダイヤモンドの等級を表わすグレーディング及び鑑別書作成等の依頼を受けた全てのダイヤモンドに対して必要な検査を行っていますが、従来の鑑別機器だけでは看破が非常に困難なダイヤモンドも存在することから、我々のような検査機関にとって、より一層鑑別技術がシビアに問われる状況になってきています。
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01/14(Tue) 無色系ダイヤモンドの科学的特徴を利用して粗選別
ダイヤモンドは大きく分類して4タイプに分けられます

まず、グレーディング依頼を受けた無色系ダイヤモンドは、全てグレードを行う前に天然ダイヤモンドか否か、天然ならHPHT(高温高圧)処理の可能性があるものではないかという視点で粗選別装置を用いてチェックを行います。
ダイヤモンドは大きく分類してIa型・Ib型・IIa型・IIb型の4タイプに分けられますが、無色系天然ダイヤモンドの大部分がIa型である事から、この粗選別装置はI型ダイヤモンドの分光特性を利用して、非常に短い波長の紫外線(220ナノメーター)の吸収性をチェックし、粗選別をします。
この検査にパスした無色系ダイヤモンドは現行では合成ダイヤモンド及びHPHT処理の可能性は消えますが、天然ダイヤモンドと判定されてもこの時点ではまだ油断出来ません。
あくまでも粗選別装置はダイヤモンドのI型とその他のタイプに分類しているに過ぎないからです。含浸処理ダイヤモンド、ペインティング及びコーティング処理ダイヤモンド、レーザードリル処理ダイヤモンドはこの粗選別装置では選別を行えないことからグレーダーがカラー、クラリティのチェックの際に検査を行います。
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01/14(Tue) 合成ダイヤモンドの検査
ダイヤモンドビューTMなどの特殊な検査機器を用いて検査

合成ダイヤモンドの疑いのあるものはカソードルミネッセンス、ダイヤモンドビューTMなどの特殊な検査機器を用いて検査を行ないます。この特殊な検査機器で合成ダイヤモンドの観察を行うと合成ダイヤモンド特有の成長構造が確認されます。勿論、蛍光器等を利用した燐光検査及びセンタークロス(十字状模様)の観察も有効ですが、近年の合成ダイヤモンドの品質向上は凄まじいものがあり、簡単な看破法では不十分になってきています。
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2013/10/03(Thu) 12:44 真珠講座3−1
なし 『真珠養殖のグローバル化』(赤松 蔚) 1907年アコヤガイによる真円真珠養殖発明に刺激され、ほとんど間を置かずシロチョウガイ、クロチョウガイ、マベ、イケチョウガイといった他の真珠貝による真珠養殖への挑戦が始まった。ある者はフィリピン、パラオ、インドネシアへ、又ある者は沖縄、奄美大島へ、そして又ある者は琵琶湖へと真珠の夢を追い求めて行った。
先ずシロチョウ真珠養殖では、三菱の岩崎男爵が1916年フィリピンのミンダナオ島サンボアンガ近くで、藤田輔世の下で養殖に着手している。又パラオでは1920年御木本が最初に養殖場を開き、成功を収めた。一方インドネシアのブートンでは1920年藤田輔世がサウスシーパール会社を設立、アラフラ海のシロチョウガイを使用して真珠養殖を行った。クロチョウ真珠養殖については1914年御木本が沖縄の名蔵湾で養殖を開始し、1921年パラオでも手がけている。マベ半形真珠養殖が最初に試みられたのは1908年で、猪谷壮吉らの名がそこに残されている。
淡水真珠養殖は藤田昌世によって1924年具体化し、琵琶湖でカラスガイに核を入れる方法でスタートさせたが、その後母貝をイケチョウガイに変えている。このように各地で色々な母貝を使用して真珠養殖が開始されたものの、全ては第二次大戦により中断を余儀なくされた。


2013/10/03(Thu) 12:44 真珠講座3−2
 戦後海外での真珠養殖は大きく展開して行った。海外における真珠養殖で、中国のアコヤ真珠養殖、淡水真珠養殖を除くその他で日本が優位に立てたのには、かつて日本には「真珠養殖事業法」という法律があり、日本の養殖真珠産業はこの法律によって手厚く保護されていたからである。特に水産庁長官通達の「海外真珠養殖3原則」は、@養殖真珠技術の非公開、A海外で養殖された真珠はすべて日本に持ち帰ること、B海外で真珠養殖を行う際、どこでどんな母貝を使用し、どれだけ生産するかを予め届け出て許可を得ること。海外でのアコヤ真珠養殖の禁止、というものであった。別の言い方をすれば日本の真珠産業を守るため、この3原則によって養殖真珠のグローバル化が阻止されていたのである。しかし1970年代に入るとこの3原則をかいくぐって養殖技術が海外に流出し始め、海外真珠養殖は次第に日本人の手を離れ、現地人、現地資本、現地技術による方向へと展開していった。特に1992年に発生したヘテロカプサ赤潮、1994年に発生した感染症により、日本のアコヤ養殖真珠は量、質共に大きく低下し、このため多くの国内外真珠業者がアコヤ真珠に見切りをつけ、シロチョウ、クロチョウなど他の母貝真珠にシフトして行った。その結果シロチョウ真珠、クロチョウ真珠の生産量が急速に伸び、養殖真珠のグローバル化が加速されていった。そしてその傾向は1998年末の真珠養殖事業法の廃止と共に一段と顕著になった。


2013/10/03(Thu) 12:43 真珠講座3−3
 次に現在の真珠のグローバル化についてシロチョウ真珠、クロチョウ真珠、淡水真珠を中心に以下に述べる。またその他の真珠についても最近の情報を報告する。

1.シロチョウ真珠養殖

第二次大戦後養殖は1954年ビルマ(現ミャンマー)で再開されたがその後中断し、1950年代後半から1960年代に入るとオーストラリアへの進出が顕著になった。またインドネシア、フィリピン、再びミャンマーにも進出するようになり、現在30社前後の日本企業が進出している。また現在ではオーストラリアのパスパレー社、フィリピンのジュエルマ社のように現地大手真珠養殖業者が何社も存在している。現在シロチョウ真珠はオーストラリア、インドネシアを中心に行われ、この2国で全生産量の90%を占める。この2国にフィリピン、ミャンマーが続いている。
シロチョウガイには真珠層に黄色い色素を含む「ゴールドリップ」(写真1)と呼ばれるものと、色素を含まない「シルバーリップ」(写真2)と呼ばれるものがある。前者はフィリピン、インドネシアに多く生息し、この貝を使用してゴールデン系のシロチョウ真珠が生産される。一方シルバーリップはオーストラリアに多く生息し、この貝を使用した真珠は「シルバー」、「スチール」などと呼ばれるホワイト系のシロチョウ真珠が多い。




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