「 早春の斜陽の中のマルクト広場 」
 春のおそいアントワープの春は1月の中旬の音の春からはじまります。野鳥の世界のソプラの黒ツグミの高らかな歌声が真冬の街に響きわたります。
 そして、2月の光の春。毎日、毎日、ぐんぐん、昼間の時間が伸び、日の光も強くなります。やがて、空気の中の匂いの春。花々の色の春。
 3月のアントワープには、まだまだ、冬が根強く残っていますが、しだいに、春の時間が増えていきます。
 アントワープの中心もマルクト広場。磨り減った石畳が床の広場です。中心には歴史的な像と噴水があります。いつも大勢の街の人びとや旅人の憩いや遊びの空間です。白衣の二人は大道芸人。
 晴れて、春の日になった午後の斜陽が石畳の床をまぶしく輝かせ、建物や像や人びとのカゲを長くし、人びとの表情をのどかにして、広場に早春のくつろぎの時間を贈ってくれました。

宝石クリエイター 「 乾 碩巳 」 記

 URL  http://www.shapefree.com

小路の小さなレストランの春の花
旧市街の小路の小さな小さなレストラン。隣家の住人になったばかりの私がはじめて見たときは「はかなげ」で心配に見えたほどに小さかった。それが、今では、南フランスのプロバンスに大きなレストランを持つほどの成功ぶり。シェフだった夫はプロバンスへ移住。彼の助手だった働き者の小柄なマダムが、いつも笑顔で、今も小さな本店を繁盛させている。
 




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