| 業界のものづくりを活かせる大切なポジションを担うことができるにちがいない
某百貨店が、顧客ニーズに応え、ジュエリーのメンテナンス商品をInstagramで紹介して いた。Instagramの利便性は置いといて、都市鉱山と言われるほどジュエリーを売ってきた割にメンテナンスを行う店舗や情報が広がっていない。時計の大型店舗には修理コーナーが必ず設置されてきた。最近は買い取りが流行り、修理の重要性が高まり、店舗として必要不可欠なポジションに修理コーナーがリニューアルされるほどで、しかも修理専門店のTVCMが流れるほど街中にも異常に増えている。ただし利益を求めシェアを増やす企業がいる一方、もう儲からないと撤退する企業があるなど様々だが、これら増える時計修理専門店は必ずしも時計関係者が立ち上げたビジネスだけではないということ。 修理やメンテナンスは、完全に職人が活きるビジネスである。特殊な技術が必要で、ビジネスとして続けるには職人を大切にしていかなければ決して長く続かないことだろう。また永く使用できるようにするため、持続可能性を担うとすれば社会的にも貢献できる上、ウェアラブルに煽られている時計業界を後押しするなど、業界のものづくりを活かせる大切なポジションを担うことができるにちがいない。 ジュエリーのリフォーム専門店もないわけではない。リサイクル、リユースも始まってはいるが、消極的で、現状はプラスにならず、活かそうとする思考が足りていないようだ。 15年以上前から、ジュエリー小売店の差別化や発展にメンテナンスが役立つと言われてきたが、「たまにやって職人が活きるビジネス 修理やメンテナンスは本文第11回めがね供養会に 1,200本のメガネ集まる〜供養の気持ちを持つことは大切〜 東京眼鏡販売店協組いる」とか「のぼりは出している」とか、 真剣に取り組む人は少なく、どちらかと言えば、手間が掛かる割に儲からないと考える人が多く、顧客満足度を蔑ろにしてきたといえよう。 購入してくれる常連にだけメンテナンスをするのではなく、それを最低限として、店舗前を通るジュエリーを身に着ける人全員に、メンテナンスの必要性を訴えることが必要だ。時計のような機械ではないが、メンテナンスが当たり前、ケアすることで日本全体のジュエリー人口が増えることを理解することが業界の考えとして不可欠だ。成熟した市場を作ってきたことをこのまま過去にしてはならない。 ジュエリー上級者にメンテナンスを広げ、新世代にはジュエリーの魅力を啓蒙し続ける。この両輪を活かせば、様々なアニバーサリーに繋げることも一段と楽になるはずだ。これからでも遅くはないほど、都市鉱山はまだ閉山していない。単純なことが喜ばれる。ちょっと拭いてあげるだけでもジュエリーも時計もメガネも綺麗になって輝く。 身近な人でも、傷がいっぱいついたジュエリーや時計を身に着けている人が多い。傷がつき輝きが失せていることに本人も気づいていない。専門的店の役割を誰も教えてくれないからだろう。社員のアイテムを確認してみたらどうか。メンテナンスされピッカピカなのは当たり前だが、関係者として自分が関係するアイテムを身に着け、メンテナンスができているか。 |
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