| スイス人芸術家のジャコメッティ展開催
スイスに生まれ、フランスで活躍し、世界的に有名になった芸術家アルベルト・ジャコメッティ(1901-1966年)。20世紀のヨーロッパにおける最も重要な彫刻家のひとりといわれています。
イタリアとの国境に近いスイス南部のブレガリア谷の芸術家一族に生まれたアルベルトは、アフリカやオセアニアの彫刻、キュビスムやシュルレアリスムなど同時代の先鋭的な動きを存分に吸収し、細長いフォルムが特徴的な、新しい独自のスタイルを確立させていきました。
このたび、今年10周年をむかえた東京・六本木の東京国立新美術館で日本では11年ぶりとなる回顧展が実現。生前設立されたスイス・チューリヒのジャコメッティ財団とともに、そのコレクションで定評のある南仏のマーグ財団美術館の貴重な作品を中心に、ジャコメッティの貴重な作品を所蔵する国内コレクションの協力のもと、初期から晩年まで、彫刻、油彩、素描、版画など、選りすぐりの作品、132点が出品される予定です。
ジャコメッティの故郷の谷にあるスタンパ村には、家族と暮らした自宅横の納屋を改修した彼のアトリエが残っています。もともと有名な画家だった父ジョヴァンニがつかっていたアトリエです。そして隣村で生まれた場所でもあるボルゴノーヴォの教会のお墓に父母や兄弟とともに眠っています。
今回はそんな故郷スタンパにあったアトリエやパリに借りたアトリエにも注目し、アトリエの内部やモデルとの制作の様子を表す素描や版画、記録写真を通してジャコメッティの創作の秘密に迫ります。また第二次世界大戦前の試み、モデルを前にして制作された彫像、わずか数センチの小さな人物像や複数の人物を組み合わせた群像、そして、有名な細長い人物像まで、その時代ごとの代表作といえるジャコメッティの彫刻作品を一度にみることができます。 |
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